この記事では、作業療法士の社会的な処遇についてお伝えしていきます。
私たち作業療法士が現在、どのように社会(世間)から見られていてどのように評価されているのかについて一緒に共有できたらと思っています。
Contents
作業療法士の現在の社会的処遇
まずは作業療法士の社会的処遇についてまとめていきます。
・作業療法士について国民の知名度が低く、また政治家も作業療法を正確に理解している方はわずか
・作業療法が、必要な方に、必要な質と量を担保したうえで提供できていない
・作業療法士の技術が報酬として正当に評価されていない
現在、このような状況であると言えます。
まず、給与水準が低下していることについてですが、その前に作業療法士の給料は、どのように決められているのでしょうか。
勤務先の就業規則・給与規程・給与表などによって定められていると思いますが、ここでは医療機関や介護事業所などにお勤めの場合を例にあげてお話していきます。
医療分野における給与支払いの仕組み
図で示すというこういう仕組みで作業療法士は給料を受け取っていることになります。
診療報酬、介護報酬という言葉はよく聞くことがあると思います。
では、この診療報酬・介護報酬はどのように決まっているのでしょうか。
診療報酬・介護報酬の決まり方
上の図のように、診療報酬や介護報酬は国会で審議されています。よく『診療報酬・介護報酬改定の年だから』という先輩や上司の言葉を聞いたことがありませんか。
このときに診療報酬が上がらなければ作業療法士含む職員の人件費を上げるのは難しくなり、職種によっては、サービス提供料や種類に差が生じ、給与面や臨床面においても大きく影響していきます。
このことから、同じ職能団体から国会議員を擁立することができれば、意見が通りやすくなるのはイメージしやすいと思います。
まとめると、診療報酬・介護報酬の改定に対して、国会で審議されるということは、その審議の場に作業療法士である政治家・または作業療法に理解を示してくれている政治家の方がいれば審議のときに大きな影響をもちます。
他職種との年収比較
続いてこちらのデータは、看護師と作業療法士の年収推移を比較したものになるのですが、看護師は毎年ほぼ横ばいを維持していることに対して、作業療法士は右肩下がりとなっています。
少し古いデータにはなりますが、このデータを見ても作業療法士・理学療法士は他の職種より年収が低いことが言えます。
さて、ここまで給与面において作業療法士の現状についてお話させていただきましたが、診療報酬は給与面だけでなく、臨床場面においても大きな影響があります。
これは一つの例になるのですが、連盟学集会で分野別に分かれてグループワークしたところ、このような話題があがりましたので、シェアさせていただきます。
精神科訪問看護における算定について、新型コロナウィルス感染を懸念した算定がありました。ここには
と書いてます。
この文言だと、看護職員『が』と限定されていますので、一緒に勤務している作業療法士など他職種は電話訪問では、算定対象にはなりません。
たった数行のことになるのですが、ここに『作業療法士』の名前が明記されないだけで同じ業務を行ったとしても算定することはできません。
臨床場面ではこういう文言に非常に影響を受けます。こういった診療報酬算定において『作業療法士』の文言が入ることの重要さが分かります。
まとめ
ここまで作業療法士の現状についてお話しさせていただいたのですが、いかがだったでしょうか。
私たち作業療法士は今後も職域の縮小が懸念されています。
これからも一緒に勉強して、作業療法士の状況改善に向けて出来ることを行っていきましょう。
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